別れの始まりの日

別れの始まり

どこまでも青い空が続く

夏の日

 

午前11時、夫の仕事場に着いた。

自営業の夫は、午後からの仕事だ。

 

昨日は帰ってこなかった。

いつものように閉店作業の途中で寝てしまい、まだ起きていないのだろうと思っていた。

 

仕事場に入り、夫が寝ているであろう従業員スペースのドアに手をかけた。

 

あれ・・・?

開かない・・・・・。

 

鍵なんて付いていないのに・・・・・開かない。

 

何度押しても開かない。

 

 

あ・・・

 

中で、誰かがドアを押さえている。

 

この一瞬で、私は察知した

 

 

―――またか――――。

 

全身の血の気が引いた。

 

ドアを破壊する勢いで、何度も何度も全身をぶつけた。

 

《バン!!》

 

ドアが開いた。

開いたと同時に、その勢いで部屋の奥まで押し入り

部屋中を見渡した。

 

 

・・・狭い部屋の中には、仮眠用の布団

 

・・その上には、夫と・・・

 

 

私が知っている女がいた・・・。

 

 

 

真っ黒な絶望が

 

全身に広がった

 

これが始まりの日

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